薬膳の基本「五性・五味・帰経」とは
薬膳では、すべての食材が持つ性質を「五性(ごせい)」「五味(ごみ)」「帰経(きけい)」という3つのものさしで捉えます。
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五性・五味
「五性」とは、食材が体を温めるか冷やすかを示す性質で、「熱・温・平・涼・寒」の5段階に分けられます。
夏野菜の多くは、体の熱を冷ます「涼性」や「寒性」に分類されます。
「五味」は「酸・苦・甘・辛・鹹(かん)」の5つの味を表し、それぞれ異なる効能を持っています。 -
帰経
「帰経」は、食材が体のどの部分(臓腑)に作用するかを示したものです。
例えば、きゅうりは「心・胃・大腸」に働きかけ、体の熱を取り、利尿作用を促します。
夏におすすめの薬膳レシピ
薬膳といっても、特別な食材は必要ありません。いつもの料理に少し工夫を加えるだけで、立派な薬膳になります。
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きゅうりとトマトのさっぱり和え
体の熱を冷ますきゅうりとトマトは、夏バテ予防に最適な組み合わせです。
きゅうりは余分な水分を排出し、トマトはのどの渇きを潤す効果が期待できます。【作り方】
乱切りにしたきゅうりとトマトを、ごま油、醤油、少しのお酢で和えるだけ。お好みで、体を温める作用のある生姜や大葉を加えるのもおすすめです。
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ゴーヤと豚肉の味噌炒め
ゴーヤの苦味には、体の余分な熱を取り除く働きがあります。 ビタミンB1が豊富で疲労回復に役立つ豚肉と組み合わせることで、夏バテ解消にぴったりの一品になります。
【作り方】
ゴーヤと豚肉を炒め、味噌とみりんで味付けします。ゴーヤの苦味が苦手な方は、塩もみしてさっと茹でると和らぎます。
まとめ
夏野菜は、火照った体を内側からクールダウンしてくれる優れた食材です。
薬膳の考え方を取り入れ、旬の恵みを上手に活用して、元気に夏を過ごしましょう。
冷房などで体が冷えやすい方は、生姜やネギなど体を温める食材を一緒に摂るなど、バランスを意識することが大切です。